マーケマーケ-Web担当者のマーケティング課題を解決

戦略を実現するマーケティング手法とは?SEOや広告だけじゃない基本施策まとめ

マーケティング戦略や目指す方向性は検討できたけど、SEOや広告を出すにはどうやったらいいんだろう?他の方法はよく知らないし……なんてことはありませんか?調べてみても結局どれを選択すべきか判断がつかないなんてことも。

今回は、マーケティング手法にはどんな方法があるのか、それぞれどんな目的や狙いをもっているのか、実際の現場でよく採用されているものを中心に網羅的にご紹介していきます。

対象者:
・マーケティングを独学で勉強し始めたマーケター初心者さん
・Webサイトの管理、運用保守を任されたばかりの新米Web担当者さん

1. マーケティングとは

まずはマーケティングとはを簡単に定義してみましょう。
マーケティングとはを一言でいうと「顧客が求めているニーズを満たすために、自社商品やサービスの情報を届け、販売する活動のこと」となります。

Wikipediaでも下記のように定義されていますね。

マーケティング(英: marketing)とは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。

Wikipedia

そしてこのマーケティング活動を通して、自社商品やサービスの売上を伸ばすことがマーケティングの真の目的だといえるでしょう。

2. マーケティング活動の基本とは

マーケティング活動はまず、ターゲット(狙い)を定めるところからはじまります。特定の市場、特定のユーザーに狙いを定め、そのターゲットに向けて戦略を練っていくのです。

マーケティング活動の基本ステップは下記の通り

  1. ターゲット(狙い)を定める
  2. ターゲットについて調査分析をする
  3. ターゲットに向けた戦略を立案する
  4. 戦略を実現する手法(施策)を検討する
  5. 実行
  6. ふりかえり、戦略の見直し

今回はこの中でも「戦略を実現する手法(施策)を検討する」ステップを詳しく解説していきます。

3. マーケティング手法(施策)とは

ここからは、この記事タイトルにもなっている「マーケティング戦略を実現する手法とは?」を見ていきましょう。
マーケティング手法とは、戦略によって決めた方向性を達成するための具体的な「実行方法」のことです。つまりは手段や戦術と呼ばれるものですね。

業務管理でよく使われる「PDCAサイクル」「OODA(ウーダ)ループ」に当てはめると、このような位置にある活動を指します。

Plan(計画)マーケティング戦略の立案
Do(実行)マーケティング手法の検討、実行  ←
Check(評価)マーケティング戦略の評価
Action(改善)マーケティング戦略の見直し
PDCAサイクル
Observe(見る)調査、分析               
Orient(分かる)マーケティング戦略の立案
Decid(決める)マーケティング手法の検討  ←
Act(動く)マーケティング手法の実行  ←
OODA(ウーダ)ループ

知らない手法は検討すらできません。マーケティング手法はまずは知っていることが大切です。次からは手法を具体的に知っていきましょう。

4. マーケティング手法(施策)の種類

マーケティング手法の種類は「集客」「接客」「再来訪」の3つに分類できます。わかりやすく実店舗を出店するイメージで例えていきますね。

4-1. 集客

集客には「どこに店をかまえるか」「どうやって知ってもらうか」という2つの視点があります。

戦略を実現するマーケティング手法(どこに店をかまえるか)

①どこに店をかまえるか
大通りに出すか、裏路地にだすか、店をどこに出店するかを検討します。Web上であってもこの「どこ」は非常に大事なポイントです。出店場所が良いと、それだけでお客様がきてくれますからね。

戦略を実現するマーケティング手法(どうやって知って、興味を持ってもらうか)

②どうやって知って、興味を持ってもらうか
店を出店したばかりだと、なかなかお客様は来てくれません。お客様にいかに店を知ってもらうか、そして興味を持ってもらえるかを考える必要があります。それがあって初めてお客様は店に来店してくれるのです。

集客はこの2つの視点が必要です。

4-2. 接客

戦略を実現するマーケティング手法(商品に迷わず辿り着いてもらうには)

③商品に迷わず辿り着いてもらうには
せっかく店に来店してくれたお客様も、ほしい物が見つからなかったら買わずに帰ってしまいます。お客様を迷わせてはいけません。ほしい商品に最短で辿り着き、購入(問い合わせ)までをスムーズに完了させる導線を考えましょう。

4-3. 再来訪

戦略を実現するマーケティング手法(また来てもらうには)

④また来てもらうには
労力もお金もかけて呼び込んだお客様、1回の購入だけで関係が終わってしまうとしたら非常にもったいないです。せっかくご縁があって来店いただいたのですから、またこの店で購入したいと思わせたいですね。最近はこの再来訪をひとつの指標として管理する「LTV」という考え方が主流となりつつあります。

LTVとは
Life Time Value(ライフ タイム バリュー)の略で、「顧客生涯価値」という意味です。 一人、あるいは一社の顧客が、特定の企業やブランドと取り引きを始めてから終わりまでの期間(顧客ライフサイクル)内にどれだけの利益をもたらすのかを算出したもの。

以上のように、マーケティング手法は「集客」が2つ、「接客」「再来訪」がひとつずつの計4つの視点が必要となります。次からは実際によく採用されているWeb施策をご紹介していきます。

5. 集客に使えるWeb施策

集客に使えるWeb施策にはどんなものがあるのでしょうか。具体的なWebマーケティングの手法を見ていきましょう。

5-1. SEO(検索エンジン最適化)

SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、検索エンジン最適化という意味です。GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索した際、上位に表示されるために行う施策を指します。

検索エンジンでは上位に表示されるほどクリックされる確率が増えますが、上位に表示されるためには下記のような対策が必要です。かなり専門的な内容となるため、ノウハウがない場合はコンサルティングや業者に相談してみる必要があるでしょう。

  • キーワード選定
  • ユーザーのニーズに合致しているコンテンツ(記事)の用意
  • 構造化マークアップ
  • ページの表示速度
  • モバイルファーストインデックス   など

ただ近い将来、SEOの専門的知識は不要になってくるかもしれません。シェアの9割近くを占めている「Google」が、検索エンジンではなくユーザーと向き合うことを求めているからです。ユーザーが求めている情報はなにか、そのニーズに答えるコンテンツを用意しておくことがSEOの近道になりつつあります。

5-2. Web広告

Web広告とは、Webサービス上に表示される広告を指します。Web以外のテレビCMやチラシとは分けて考えられることが多いです。Web広告は「呼び込みたいユーザーの状態」によって使い分けることが基本です。ユーザの状態は大きく分けて「顕在層」「潜在層」の2つ。

顕在層(ニーズを認知している)
自社商品・サービスのメリットと合致した「ニーズ」を既に認識しており、解決のために能動的に動いている層を顕在層といいます。例えば「一人暮らしが寂しいのでペットが飼いたい、いろいろ調べて猫を飼おうと思っている」と詳細まで検討できているユーザーを指します。

この層を呼び込みたい場合は、ユーザーのアクションに先回りして広告を配置しておくことで「選択肢に入る」ことを狙います。商品購入や問い合わせまであとひと押しの状態なので、「ニーズ」にささるストレートな訴求内容を検討しましょう。

有効なWeb広告の例)
・リスティング広告
・リターゲティング(リマーケティング)広告
・アフィリエイト広告

潜在層(ニーズを認知できていない)
気づいていないだけで、自社商品・サービスのメリットと合致した「ニーズ」を潜在的に持っている層を潜在層といいます。例えば「一人暮らしが寂しいのでペットか何か飼いたいな……」と漠然と考えているユーザーです。

この層を呼び込みたい場合は、顕在層の調査分析が必要です。顕在層のユーザーがニーズを認知する前にどんなアクションを取っていたかを調査し、そのアクションに先回りして広告を配置しておくことで「気づき」を与えることを狙います。

商品・サービスが安価であれば、その場で購入させる所まで狙ってしまっても構いません。商品・サービスが高額であれば、まずはニーズに気づかせ、顕在層にまで育てる息の長いアプローチが求められます。

有効なWeb広告の例)
・動画広告
・DSP
・ネイティブアド
・アドネットワーク
・記事(タイアップ)広告
・純広告

5-2. SNS運用

SNSで自社商品・サービス専用のアカウントを運用し、ユーザーとコミュニケーションを取ることで集客に繋げることができます。SNS運用には思った以上にリソースが必要である場合が多く、中の人と呼ばれる運用担当者のキャラクターも非常に重要です。

SNSによって集客できるユーザー層は異なります。呼び込みたいユーザーの特性によって、運用するSNSは使い分けが必要だと心得ましょう。

Facebook
実名登録など正確なプロフィールが特徴で、ビジネス使用がユーザーが多いです。そのため、セミナー集客、情報商材、オンライン講座のリスト獲得に向いています。

Twitter
消費行動が活発なユーザーが多い傾向にあります。ユーザー層が若い、もしくは~中所得である場合が多いので、参加型キャンペーンやクーポン発行などのお得な施策が響きます。一部ビジネス使用も増えてきていますが、情報感度が高いため少々ハードルが高い傾向があります。

Instagram
新しいもの好きな女性が多いのが特長で、広告機能としては趣味嗜好によるターゲティングが充実しています。Instagram上で商品を購入できる機能もあり、ライブ配信と組み合わせてテレビショッピングのようなコミュニケーションを取ることもできるようになってきています。

LINE
日本人口の約60%以上が利用しており、アクティブ率が85%以上という圧倒的な数値を叩き出しているSNSです。リスト配信やビーコンを使った位置情報配信、チャットボットでのカスタマーサポート対応など、LINEでできることはが年々増えていっています。厚生労働省の新型コロナ対策全国調査がLINEで実施されたことは記憶に新しいですね。

以上が、集客に使えるWeb施策です。Webサイトの集客には、ユーザーが求めているニーズとは何か、ユーザーはどこにいるのかという視点が重要です。

6. 接客に使えるWeb施策

接客に使えるWeb施策にはどんなものがあるのでしょうか。具体的なWebマーケティングの手法を見ていきましょう。

6-1. LPO(ランディングページ最適化)

LPOとは「Landing Page Optimization」の略で、「ランディングページ最適化」という意味です。ランディングページとは、ユーザーがWebサイトに来訪した際に1番初めに目にするページを指します。

このランディングページをユーザーのニーズに合わせて最適化し、購入や問い合わせ数を増やすために実施します。近年はニーズが多様化していることもあり、ニーズの数だけLPをつくり、CVまでの動線をいかに短くするかという方法が主流となりつつあります。

6-2. チャットボット

ユーザーがWebサイトに来訪した際に、困ったことや不明点をチャット形式で問い合わせることができます。リアルタイムでやりとりが完了するため、顧客の満足度が上がりやすいことが特長です

AI(人工知能)型とシナリオ型の2通りありますが、どちらもプログラムが自動で応答してくれます。簡単なヒアリングであれば、チャットボットに任せることでカスタマーサポートのリソース削減になるでしょう。問い合わせフォームをチャットボットに置き換えることも可能です。

6-3. 口コミ

自社商品・サービスに関する、一般ユーザーのコメントやレビューを口コミといいます。SNSやブログ経由もあれば、企業が実施したアンケートやインタビューを自社サイトに掲載する場合もあります。不安や疑問を感じたら、まずはレビューを見るという方も多いのではないでしょうか。

この中でも特にSNSやブログで投稿したような口コミは、ユーザー自身が生み出したコンテンツ、UGC(User Generated Contents)と呼ばれ、注目を集めるようになってきています。施策によってはある程度コントロールも可能ですが、やりすぎるとステマ(ステルスマーケティング)となり炎上リスクが発生します。モラルを重視した運用を心がけてください。

6-4. レコメンド

ECサイトを利用していると「この商品を買った人はこんなものも買っています。」という表示を見たことはないでしょうか。このようにユーザーのアクションに合わせて、関連商品をおすすめすることをレコメンドといいます。

基本的にはクロスセル(もう1つ追加で購入させる)や、アップセル(もう一段階上のランクで購入させる)を狙って実施されますが、商品を見つけやすくなったり、類似商品と間違えにくくなったりするため、顧客の満足度を上げる役割も果たしています。

6-5. EFO(問い合わせフォーム最適化)

LPOとは「Entry Form Optimisation」の略で、「問い合わせ(入力)フォーム最適化」という意味です。問い合わせや購入フォームの項目やデザインを利用しやすく改善することで、離脱を防ぎ、問い合わせや購入数を増やす施策です。ECサイトのカートの場合はカゴ落ちを防ぐ役割を果たします。

フォームの項目が多すぎる、全角半角など操作がめんどくさい、そんな理由で問い合わせや購入を断念してしまったことはないでしょうか。問い合わせよう、購入しようという気持ちは簡単にしぼんでしまうものです。ユーザーにストレスを感じさせないフォームを目指しましょう。

以上が、接客に使えるWeb施策です。Webサイトに来てくれたユーザーへの接客には、いかに最短で商品まで辿り着つかせるか、そして購入(問い合わせ)までをいかにスムーズに完了させるかという視点が重要です。

7. 再来訪に使えるWeb施策

再来訪に使えるWeb施策にはどんなものがあるのでしょうか。具体的なWebマーケティングの手法を見ていきましょう。

7-1. クーポン・ポイント割引

クーポンやポイント割引は、再来訪では一般的な施策です。購入後の完了画面や完了メールでクーポンコードを表示させる場合は、次の購入が促進される短期的効果が見込めます。ポイントの場合は複数回の購入が必要となるため、自社サービスへの囲い込み効果が期待できます。

7-2. 広告(リターゲティング、リマーケティング)

リターゲティング広告とは、自社サイトを閲覧した、商品をカートに入れたまま放置しているなど、特定のアクションを実行したユーザーを追いかけ回すことができる広告です。

ユーザーの行動は使用しているブラウザに記録されており、これをCookieといいます。このCookieを頼りに「特定のアクションを実行したユーザー」を特定し、行く先々の広告枠に広告を表示させるのです。

自社商品・サービスにポジティブな感情を持っていない場合だと、うざったいなどのマイナスイメージに繋がってしまうことも多い広告です。対象とするターゲットは慎重に検討しましょう。

7-3. メール

メール施策は「メールマガジン(メルマガ)」「ステップ(フォロー)メール」の2つがあります。中でもメルマガは馴染み深いのではないでしょうか。最近は全員に同じ情報を送るのではなく、商品の購入履歴などからユーザーごとに最適化された情報を送る方法が主流となっています。

ステップ(フォロー)メールは、必要な情報を最適なタイミングで送る方法です。商品を購入したらお礼メールが、1日後くらいには届いたかの確認メールが、しばらくすると使用感を伺うメールが、商品を使い切るころには再購入をすすめるメールを送ります。

企業間のコミュニケーションでは、SNSよりもまだまだメールが使われるケースが多く、30代以降では顕著です。メール施策は現在でもマーケティング施策の有効な手段の一つです。

以上が、再来訪に使えるWeb施策です。Webサイトに来てくれたユーザーに再来訪を促すには、ユーザーの生活ルーチンに入り込むためにはという視点が重要です。

8. おまけ MA(マーケティングオートメーション)

最後にMAについても触れておきたいと思います。
MAとは「マーケティングオートメーション」の略で、マーケティング領域のコミュニケーションを自動化する仕組みです。気を付けなくてはいけないのが「自動化」するだけで「最適化」はしてくれないということです。あらかじめ人の手で、最適解をシナリオとして設定しておく必要があります。MAは導入コストが高めのツールなのです。

とはいえ導入が済んでしまえば、レベルの高い分析レポートが閲覧でき、運用が自動化されるため、リソース削減ができるのは間違いありません。メリットデメリットを正しく理解した上で、費用対効果を見極めましょう。

9. まとめ

戦略を実現するマーケティング手法について、手法それぞれの目的別に、実際によく採用されているWeb施策を解説させていただきました。特に具体的なWeb施策については最低限の知識を詰め込んでいます!この記事を読む前よりも、マーケティング手法のイメージが少しでも鮮明になっていれば幸いです。

また下記のようなご要望があれば、お気軽に問い合わせフォームからご相談ください。
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